【2007.3.10 お酒と器 1 日本酒器】
グッズのページも作るくらい、お酒関連の小物も好きな私だが、その発端はぐい飲みや盃などのいわゆる日本酒器だった。 実家の母親が洋食器が好きで、家にはカットグラスの類が沢山あり、それらももちろん好きだったのだが、むしろ「家にある」ということが、逆に私の興味をそそらなかったのかもしれない。 反面、日本の焼き物は、家で使っているものの中でも比較的量も少なく、カジュアルなものが中心だった。 そんな私の、最初の焼き物への興味は、萩焼だった。父の旧友に萩焼の作家の方がいて、その方の窯に小学生の頃にお邪魔したことや、小学校の修学旅行で萩へと行ったときの思い出が、焼き物への興味のきっかけだった。 その後、高校への通学路の途中に、繁華街があり、そこの一角の陶苑が、お気に入りの場所となり、足しげく立ち寄っていた。そして、やがて大学へと進学するため家を出て一人暮らしを始めることとなった。その際、父親お気に入りのぐい飲みをぜひ持って行きたいと頼んだのだが、さすがにそれだけはダメ、と断られ、その後それを埋めるかのように、安いものではあるけれど、あれこれ見るのが好きになっていったのだった。 とは言え、その頃に買った酒器のたぐいは、陶芸部のバザーで買ったものや、家の近くの雑貨屋で買ったもので、いわゆるそれなりの器とは言いにくいものがほとんどである。 けれど、お酒を自分の気に入った器で飲む、という行為は、私の一人暮らしを、かなり潤してくれたものと、今でも懐かしく思い出す。 やがて日本酒だけではなく、その他のお酒が、酒飲生活(笑)の中心となった今でも、やはり焼き物は好きで、旅先などではついついぐい飲みや盃に目が行ってしまう。
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