【2006.12.16 私とお酒売り場】
このようにして、ワインアドバイザー資格を獲得できた私だが、その途中で、実は仕事の方も異動があった。私を育ててくれた店の店長が、おそらく私にワインアドバイザーの件を教えてくれた方から聞かれたのだと思うのだが、「ワインアドバイザー試験にチャレンジしている」ということを聞き及び「店に帰って来い」と言ってもらえたのだ。 おりしも、組織は多少揺れている頃で、恐る恐る「まだ取れていませんが」と言った私に「なんや、勉強しとらんのか、しとるんやろ、今から受かればいいんや」と言ってくださり、私は店の、念願の「酒担当者」となれたのだった。 今思えば、このタイミングも良かったのかなと思う。バイヤーの時には通勤時間が長かったため、その分仕事が終わり家に帰る時間も、結構遅くなっていたし、頻繁な出張もあったが、店に関して言えば家から10分の距離だったし、出張もなかった。 この環境が、暗記の勉強をするより、ティスティングの勉強をするのには適していたと思う。 さて、そんなわけで「酒売り場担当のワインアドバイザー」になったのだが、これも実のところ長くは続かなかった。まず最初に、私の勤めていた会社の経営統合があった。そして社員の私は、だんだん「一スタッフ」という職務でいるには厳しい環境になっていた。 また、私自身の状況もさることながら、店の環境も厳しかった。結果、2001年の春には、それまでは「ショップ形式(レジと販売員が専属でつく形)」から「セルフ形式(いわゆるほとんどのスーパーが現在これ)」に改装されることが決定したのだった。 そして、私は長年勤めたその会社を辞めることを決意し、4月11日、酒売り場の改装を終えてからそのGMSを退職した。
Essay Topへ